キャリアラボ

キャリアに悩む帯同家族の味方 @indonesia

【1月コラム】~インドネシアの不思議:ムスリムの婚姻~

こんにちは!向です!
今月はインドネシアの文化を
深掘りするシリーズ、
インドネシアの不思議第3弾!
ムスリムの人たちの婚姻について取り上げます!

 

 

前回の「インドネシアの不思議」でも
お世話になった友人のLidyaさんの
義理の妹が近々結婚するという話を聞いて、
ムスリムの人たちの婚姻って
日本人のものとどうちがうのかな?
と疑問に思いました!

ということで今年一発目のコラムは
ムスリムの人たちの婚姻について
取り上げようと思います!

話を聞いて興味深かったのが
日本人で言う
「入籍」の手続きの部分でした。

なのでそこを詳しく
取り上げています!

 

プロポーズ
ムスリムの人たちも日本人と同じで
男性から女性に結婚を申し込みます。
日本人と同様にそのスタイルは様々で
婚約指輪や結婚指輪を
購入するタイミングも
それぞれのカップルで異なるようです。

両家への挨拶
まずカップルで男性側の実家を訪問して
男性の両親に結婚相手を紹介します。
そこで両親からの了承が得られたら、
次は女性の家に行って結婚の許可を得るようです。

小規模なパーティーを開くようなイメージで
その名前はtunanganというそうです。

日本も家庭によって形式は様々ですが、
集まって食事を楽しみつつ、
親交を深める点は似ているのかもしれませんね♪

入籍
ここが日本と全然違いました!
入籍を受理してもらうには
なんと4つもの役所で手続きが
必要なんだとか!!

なので手続きを始めてから
入籍が正式に受理されるまで
1カ月程度かかるそうです。

日本でも役所の手続きとなると
なかなか思うように
進まないイメージがありませんか?

それがインドネシアで...となると
果たして目指している入籍日に
合わせて手続きを進めることは
可能なのでしょうか...?

最初に行く役所はRukun Tetangga。
Rukun:グループ / Tetangga:近所の
その名の通り、家の近所にある
小規模な役所のようです。

複数枚の書類に
夫婦の名前、生年月日、出生地、仕事など
を記入して、両親からサインをもらいます。
その書類をRT(Rukun Tetangga)に
持って行って受理を示す
ハンコとサインをもらいます。

次に行くのはRukun Warga。
Warga:住民
これも近所の小規模な役所です。

イメージがつかなくて
Google先生で調べてみたら
思った以上にローカルな雰囲気...

ここではRTで用意した書類を提出して
またハンコとサインをもらって完了です。

そして次に行くのはKelurahan。
Kelurahan:区
これは日本人がイメージする市役所が
当てはまるような施設です。

ここでもRTと同様に
夫婦の名前や出生地を書類に記入して
提出し、ハンコとサインをもらいます。

そして最後のKecamatanで
Kelurahanに提出した書類を再度提出して

またハンコとサインをもらいます。

それぞれの役所で
どんな手続きがされているのかは
インドネシアの人たちも
あまりわかっていないようです。

でも、紙一枚に記入して提出するだけの
日本とは、全く異なる工程で
面白いですね!

諸々の手続きをしている間に
病院にも行って、
エイズに感染していないことを証明する
証明書を発行してもらいます。

もし感染していたら
結婚はできないのだとか...
検査結果を見るの
地味にドキドキしそうですよね...。

入籍の儀式
長い長ーい役所手続きが終わったら
入籍を成立させる日取りを決めます。

決まったら、自宅やモスク、KUAなどで
入籍の儀式を行います。

KUAはKantor Urusan Agamaの略で
意味は以下の通り。
Kantor:事務所 / 
Urusan Agama:宗教関連の

どこでやるにしてもKUAの人を呼んで
執り行われます。

KUAの人以外には
男性の既婚者が同席します。

必ず男性で、既婚者である必要が
あるそうです。

なので近親者に男性の既婚者がいない場合
友人などに頼むようです。

服装は女性はあれば白い衣服、
男性はジャケットを着用します。

儀式自体は短時間で済むもので、
友達の実際の映像を見せてもらいましたが
重々しく真面目な雰囲気で
行われていました。

この時に必ず唱えられる言葉があって
KUAの人が
Saya nikahkan Anda dengan (お嫁さんの名前) binti (お嫁さんの父親の名前) dengan (maharの内容) dibayar tunai.
と唱えます。

あなたは本当に
お嫁さんと結婚するんですね?
みたいな意味です。

Maharは、入籍の際に男性側から女性側に
贈られるものやお金のことです。

金額や物に決まりはなく、
それぞれのカップルで
適したものが贈られます。

KUAの人の言葉に続いて、
夫となる男性が、
Saya terima nikahnya (お嫁さんの名前) binti (お嫁さんの父親の名前) dengan (maharの内容) tunai.

KUAの人の言葉を受けて、
はい、結婚します、みたいなことを
言います

この儀式が終わったら
パスポートのような見た目の
手帳を受け取ります。

Lidyaさんが自分が入籍したときの写真を
提供してくれました。

2人が手に持っているのが
入籍したときにもらえる手帳です。

 

 

そこには夫婦の写真と
それぞれの結婚履歴などが
記載されています。

結婚披露宴
晴れて婚姻関係が正式に認められたら
パーティーを開催します。

日本と同じように
入籍した当日に行ったり、
日を改めて行うこともあるようです。

会場はモスクやホテル、レストランや
自宅で行う場合があるようです。

自宅の場合は、親せきたちが
数日間宿泊したりするので
2,3日お祝いが続くそうです。

それ以外の場合は2時間程度で
終わるようです。

ゲストの数は日本と比較すると多く、
500人から1000人程度。

ゲストは出入り自由ですが、
基本的に開始時間に集まり、
最初に受付済ませてお祝儀を渡します。

お祝儀は決まった金額はなく、
それぞれのゲストが出せる範囲で
お渡しするようです。

受付が済んだら、
食事やおしゃべりを楽しんだり、
新郎新婦との写真撮影を行います。

日本のように司会者がいて
イベントのように会場を盛り上げます。
ダンサーなどがいる場合もあるようです。

新郎新婦の服装は
それぞれの出身地によって変わります。

皆さんも何回か見かけたことが
あるかもしれませんが、
インドネシアの結婚式の服装は個性的です。
特に女性は服装、髪飾り、化粧と
きらびやかで派手な衣装を身につけます。

私が一番印象的だったのは
ジャワスタイルのBetawiというもの。

おでこの部分の装飾が特徴的で
とても印象に残っています。

 

あと、個人的に疑問に思ったことを
聞いてみました!

 

お見合い結婚

親族に勝手に結婚相手を決められて...
みたいなことは今もあるのでしょうか?

これは日本と同じように
田舎の方ではまだあるようですが、
ジャカルタなどの都会では
恋愛結婚がほとんどだそうです。

異宗教同士の結婚

他宗教国家のインドネシアでは
ムスリムの人同士以外の恋愛は
大いにあり得ますよね。

異宗教の人と出会って、
結婚に至る場合、
どうしているのでしょうか?

ムスリムの人はムスリムの人としか
結婚ができません。

なので、
ムスリムの人がムスリム以外の人と
結婚する場合、
結婚相手に
ムスリムに改宗してもらう必要があります。

結婚相手が別の宗教を信じている場合、
色々ともめるそうです...
お祈りの作法などが
それぞれ違うわけですから...

その点日本人は
無宗教の人がほとんどなので
日本人と付き合っていたとしても
宗教面での心配は少なくて済むようです。

私は改宗した方から話を聞いたことが
あるのですが、
モスクに行って祈りを唱えたら
改宗できるのだとか。

ただ、それまで縁が無かった宗教を
突然信じろと言われても
難しい場合もあるようで、
入籍の手続きが終わったら
再び改宗して、
ムスリムを辞めてしまう人もいるようです。
面白いですねぇ。

さて、いかがだったでしょうか?

海外で生活していなかったら、
海外の入籍手続きになんて
関心がいかなかったと思うのですが、
ここで生活できているからこそ
新しい文化に興味を持つことができました!
改めて今の生活をさせてもらえていることに
感謝、感謝...です!

皆さんもインドネシア人の方と出会い、
この国の文化にたくさん興味を持って
ここでの生活を楽しんでみて下さいね!

キャリアラボではインドネシア人と
繋がるきっかけとして、
インドネシア人のゲストを招いての
インドネシア語会話クラブなどを
開催しています!

私ができる範囲で毎月開催していますので
ぜひぜひご参加ください!

最後までお読みいただき
ありがとうございましたー!