キャリアラボ

キャリアに悩む帯同家族の味方 @indonesia

【9月コラム】~駐妻STORIES:トピさん~

こんにちは!向です!
今月は「駐妻STORIES」シリーズです。

 

 

このシリーズは
様々な駐在夫・駐在妻の方に
帯同前から本帰国までの経験を 
インタビューさせて頂き、
その内容を皆様に
共有させて頂こうという企画です!

 

海外という未知の世界での生活を前に
生活のことからキャリアのことまで 
不安や悩みは尽きないと思います。 
そんな悩めるプレ駐妻・駐夫の方々には 
帯同生活の様子を知って頂き、
本当に帯同するのがいいのか...という 
判断材料に活用して頂いたり、

 

既に帯同生活をスタートされている 
駐在夫・駐在妻の方々には
帯同中に取り組む活動の
参考にして頂いたり、

 

本帰国後の復職の様々な形を知って頂き、
復職の形の選択肢を増やして頂いたり、
復職の不安を小さくしていただけたらと 
思っております!  

 

ご自分のご経験を快く共有して下さった
駐妻OG・駐夫OBの方の広い心と
お忙しい時間を割いて
インタビューに 答えて下さった
駐妻OG・駐夫OBの方の ボランティア精神に
感謝して記事を読んで頂ければと思います♪

 

今回引き受けてくださったのはトピさんです♪

 

 

トピさん
中国に2013年3月~2013年11月の約8カ月間、ジャカルタに2014年10月~2021年10月の7年間、そして現在もタイに2022年の7月末から帯同中で、これまで合計で9年間の帯同生活を送ってきた。帯同前は総合卸売業の会社で営業職として約4年間勤務。結婚を機にご主人の勤務先(国内)に引越し、その時に勤めていた会社も退職。帯同中にご出産やコロナ渦での強制帰国を経験。
 
 

帯同を決める際に 悩んだことはありましたか?


勤めていた会社を退職するかどうかで
悩みました。
当時は結婚前で、
お付き合いしていた方とは
国内で遠距離恋愛をしていました。
その彼からは結婚をして退職し、
海外に帯同してほしいと
話をされていました。
社会人3年目という
ちょうど仕事に
やりがいを感じ始めていた頃だったので、
退職して彼との生活をとるか
仕事をとるかで悩みました。

 

その悩みはどのように解決しましたか?


仕事をしながら
仕事のやりがいと
彼との生活を天秤にかけて考えました。
海外へ出て、挑戦していく彼を
側で応援したいという思いが強く、
退職して帯同することにしました。
付き合っていた頃が遠距離恋愛だったので、
結婚後は一緒に住みたい
と思っていたのも大きかったと思います。

 

帯同期間中のお仕事の状態はどうでしたか?


退職していました。

 

上記を選択した理由を教えてください。


休職制度などはなく、
退職以外の選択肢はありませんでした。
休職制度などはなく、
退職以外の選択肢はありませんでした。

 

帯同中はどんな活動をされていましたか?


【活動1】<中国時代>
学生の頃にゼミの活動の一環で
中国の大学に滞在し、
日本語学科の生徒に
日本語を教えたことがあり、
その経験が活かせると思い、
日本語クラブの中国人に
日本語を教える活動をしていました。

そこでは日本語を学んでいる中国人と
外に一緒に出掛けるなどしていました。
出先で日本語を使いながら
彼らと会話することで
彼らの日本語が上達するように
サポートしていました。

彼らと触れ合う中で
中国人の親しみやすさを
感じ取ることができました。

 

【活動2】<中国時代>
語学学習を通して中国への興味が
深められればと思い、
中国語を学習していました。

語学学校に週3日3カ月間程度通いました。

 

【活動3】<ジャカルタ時代>

中国に滞在していた頃から
仕事が無くなったことによる
アイデンティティロスに陥っていました。

当時6カ月の娘を連れて始まった
海外生活は、
想像以上に
思うようにいかないことばかりでした。
夫は平日残業が多い上に、
家族で過ごせる休日は日曜日のみでした。
また、私の挑戦したい事と
子育てを両立させる
難しさも感じていました。

ジャカルタの深刻な交通事情のせいで、
外出しても時間の拘束を感じたり、
娘の体調不良で
度々通院することになったり、
なかなか1人の時間が持てませんでした。

結果的に家族や子育てを第一優先にすると
自分自身のチャレンジを
諦めなければならなくなり、
常にそのジレンマと闘っていた気がします。
しかし、帯同中
何かしらの成果が欲しいと感じ、
インドネシア語学習に取り組みました。

平日はメイドさん
2時間娘をみていてもらい、
インドネシア語の日本人講師に
オンライン検定対策をしてもらいました。

試験直前の休日は、
娘を夫に預け、一日中カフェに引きこもって
学習を進めました。

その結果、
インドネシア語検定の
C級に合格することができ、
同時に達成感も味わうことができました。

 

【活動4】<ジャカルタ時代>
家の中に引きこもっていても
落ち込むばかりだったので
外に出掛けて、
人と交流することで
気分を上向かせたいと思い、
子育て関連の日本人コミュニティに
参加していました。

 

【活動5】<ジャカルタ時代>
語学学習を通して
交友関係を広げたいと思い、
現地の大学の英語クラスを受講しました。
週2回を2ターム分の半年間通いました。

子どものプレスクールで
英語のコミュニケーションが必要だったため
学習したものが
そこで活かせていたと思います。

 

【その他】<タイ時代>
今はタイに到着して間もないので
生活を整えるので手一杯ですが、
今後はタイ語学習やタイ料理の習得、
フリーペーパーのボランティアをしたり、
タイ人の日本語教育に関わりたいと
考えています。

 

仕事を辞めて帯同された方々は特にだと思いますが、帯同してすぐは自分の存在意義を見失ったり、目標を失って何をやればいいのかわからなくなる方が多いと思います。
そんな状態の方々に向けたアドバイスはありますか?


たった一人で悩まないで、
仲間を探してください。
今できることを大切にしながら、
自分の価値観を振り返る時間を
存分に作ることをおすすめします。

私の場合は知り合いが開いたイベントで
コーチングに出会い、
コーチングを通して
自分の価値観を振り返りました。

コロナウイルスで世界や社会が変化し、
オンラインでつながれる機会や交流が盛んになりました。
オンライン上にはあなたの居場所や仲間がいるかもしれません。
悩んだら、是非積極的にさがしてみてください。

 

生活を充実させるためにどんな意識を持ち、どう行動されていましたか?


駐在先では、不自由を克服して、
より生きやすい環境作りをすること
を意識しました。
そのために、現地語の習得、
移動手段の確保、信頼できる友人、
生活の安定(メイドさん、定期的な旅行)
を自発的に探しました。

メイドさんとは積極的に
コミュニケーションをとり、
信頼関係の構築に努めていました。

海外生活中は、日本の家族をすぐに頼れません。
そんな時、頼りになるメイドさんは我が家の救世主でした。

 

コロナ渦で強制帰国をご経験し、日本に滞在されていたときの様子を教えてください。


2020年3月インドネシア駐在中に
コロナの感染拡大で
日本に強制退避することになりました。

最初は実家に滞在していたのですが、
居心地が悪くなり、
3カ月経った頃に
賃貸マンションに移動しました。

そして1年半に及ぶ2児のワンオペ育児後に、
主人の本帰国が決まりました。

 

その期間はどんな活動をされていましたか?


1年半のワンオペ育児中は、
特に何も活動していませんでした。
子どもと自分自身の健康を第一優先し
毎日の生活に精一杯でした。

主人の本帰国し、
約10か月後の次の駐在が見えてきた時、
いずれまた訪れる本帰国を見据えて、
オンライン上でボランティア活動を始めました。
その瞬間から復職につながる経験を積みたいと感じたからです。
その活動で、SNS発信や
オンラインコミュ二ティの企画などを担当しています。

 

帯同期間中のご経験で今に活きていると思うものはありますか?


家族の結束力、自己管理力、突破力が
活きていると思います。

自己管理力というのは
自分の感情のコントロール
できるようになったということです。

文化が異なる海外に滞在していると
思うように事が運ばない場面は
多々ありますが、
そのような場面にもに動じず、
程よい諦め感を持ちながら
過ごしていました。
その経験から小さなことでは感情を
振り回されなくなったと思います。

また日本とは異なった環境下で
突然のトラブルに対処するという
経験をしたことで突破力が身に着き、
それが今の生活でも活かせていると
思います。

 

帯同を経験して得たものは何ですか?


新しい環境に対するわくわく感、
新しい環境に自分を順応させていく
面白さを知ることができました。

また突然のトラブルに対処できる
対応力も身に着いたと思います。

 

帯同前後でどんな価値観の変化がありましたか?


日本で生活と海外の生活、
日本の文化と海外の文化など
色々なものを比較しなくなりました。

日本人の考え方だとわからないような文化が
海外には存在しますが、
海外に住まわせてもらっているのだ、
という感覚を持ち、
海外のやり方を尊重するような
考え方が身に着きました。

また、駐在する他の奥さまと
自分を比較することはなくなりました。
渡航前、渡航中など彼女たちの
キラキラしたブログを読む機会が多く、
それを自分のあれこれと比較して
落ち込むことがありました。
しかし、楽しみ方や感じ方、
家族や各国の事情はそれぞれです。
私はどんなことに感動して、
どんな事をその国で成し遂げたいのか
考える方がワクワクすることに
だんだん気付き始めました。

 

帯同期間前・または現在帯同中の駐妻・駐夫の方にアドバイスをお願いします。


駐在は大変なことも多いと思いますが、
もちろん楽しいことも多いです。
ご自身が生きやすよう
その地で試行錯誤してみると、
面白い自分が見つかるかもしれません。

まずは外に意識を向けて
何でも開き直って挑戦してみてください。
また、自分自身との対話も
大切にしてください。

 

 

インタビュー内でも少し触れていますが、
トピさんはコロナの感染拡大で
突然日本に強制退避することに
なってしまった方の一人です。

当時はご主人の会社から要請があってから
たった3日でジャカルタを発ったそうです。

その時のショックは大きかったようで、
やりたいと思っていたことを残したままで
帰国が決まってしまったので
残念な気持ちが大きかったそうです。

トピさんのように
突然の帰国を余儀なくされた方は
たくさんいらっしゃるのでは
ないでしょうか...

でもトピさんはそんな逆境に
負けることなく、
海外で生活する方々のサポートのため
ボランティア団体で
活動をされています。

私もコロナ渦の影響を
もろに受けた一人であり、
「時間を返してよ!」という思いは
ありますが、そんなことを言っていても
何も変わりませんね...

その時その時の状況で
自分ができるベストを尽くそう、という
ポジティブマインドは
コロナがくれた恩恵の1つでは
ないでしょうか...

どんな困難にもへこたれず、
少しずつでも前進し続けることが
大切ですよね!


それから、トピさんは
仕事にやりがいを感じ始めていた頃に
望んでしたことではあるものの、
退職しなければならなかった、
ということでした。

私自身も約3年働いたのち
仕事を辞めているので
どんな心境だったのかは
容易に想像ができました。

仕事に慣れてきて、
ある程度仕事を任せてもらえるようになり、後輩もできて、
新人という会社のお荷物から
少しずつ会社に貢献できる立場に
なりつつあった頃です。

仕事と彼との生活とで
かなり悩まれたのだろうなぁと
自分の当時の状況を思い出しながら
想像してしまいました。

日本社会としては
女性が働きやすい環境整備が
進んでいることは確かですが、
一方で「駐在」に焦点を当てると
配偶者は家に入る前提の
制度設計になっている企業が
まだまだ多いのではないでしょうか?

少なくとも私の周りはそうです。

仕事以外で培えるスキルも
もちろんありますが、
対価をもらって
それなりの緊張感の中で身につけるスキルは
別格なのかなと個人的には感じています。

結局働けずじまいで帯同してきたけど、
自分のキャリアはまだまだ諦めたくない!
という方々がどんどんキャリアラボと
繋がって下さって、

ボランティアのメンバーとして
活躍して下さったり、

これまでの経験を活かした
新しい活動を一緒に始めて下さりして、
活躍してほしいなと思います。

キャリアラボが皆さまのキャリアの
何かしらのプラスになることを
願っています。