キャリアラボ

キャリアに悩む帯同家族の味方 @indonesia

【8月コラム】~駐妻STORIES:Yさん~

こんにちは!向です!
今月は「駐妻STORIES」シリーズです。

 

 

このシリーズは
様々な駐在夫・駐在妻の方に
帯同前から本帰国までの経験を 
インタビューさせて頂き、
その内容を皆様に
共有させて頂こうという企画です!

 

海外という未知の世界での生活を前に
生活のことからキャリアのことまで 
不安や悩みは尽きないと思います。 
そんな悩めるプレ駐妻・駐夫の方々には 
帯同生活の様子を知って頂き、
本当に帯同するのがいいのか...という 
判断材料に活用して頂いたり、

 

既に帯同生活をスタートされている 
駐在夫・駐在妻の方々には
帯同中に取り組む活動の
参考にして頂いたり、

 

本帰国後の復職の様々な形を知って頂き、
復職の形の選択肢を増やして頂いたり、
復職の不安を小さくしていただけたらと 
思っております!  


ご自分のご経験を快く共有して下さった
駐妻OG・駐夫OBの方の広い心と
お忙しい時間を割いて
インタビューに 答えて下さった
駐妻OG・駐夫OBの方の ボランティア精神に
感謝して記事を読んで頂ければと思います♪

 
今回引き受けてくださったのはYさんです♪

 

Yさん
タイ、インド、アメリカ、インドネシアと帯同されてきて現在帯同生活14年目に突入中。帯同前は保険業界にて13年間営業企画・営業人事・営業推進、アンダーライティング(引受査定)などを担当。13年間全力で仕事に取り組んだ後、当時の恋人だった現在のご主人の海外駐在をきっかけに、帯同生活をご自身の第2の人生と位置付けて海外生活をスタートさせる。
 

帯同を決める際に 悩んだことはありましたか?


悩みはありませんでした。
今思うと、ワクワクしかありませんでした。
これから始まっていく海外での新生活が
楽しみで仕方なかったです。
もともと好奇心旺盛なので、
一つのところに長くいるより、
興味の赴くまま
自分の知らないところに飛び込んでいくのが
好きなタイプです。
よく13年間も会社人生が送ってこられたと
思います。

 

帯同を決めた理由は何ですか?


当時付き合っていた男性が海外転勤となり、
それをきっかけに結婚を決めたからです。

 

帯同期間中の前職の扱いはどんな状態でしたか?


退職です。

 

上記を選択した理由を教えてください。


結婚相手の海外駐在が何年になるか
予想が出来なかったのと、
海外から海外といったスライドも
大いにあり得たので
新しい人生の可能性に
賭けてみようと思ったからです。

 

帯同中はどんな活動をされていましたか?


【活動1】<タイ時代>

タイではあまり英語が通じず、
タイ語を話せたほうが
生活が豊かになると思ったので、
チュラロンコン国立大学の
外国人向けタイ語学科で1年間
タイ語を学びました。

どうせ勉強するなら、半端レベルではなく、
現地の人たちと対等に話せるレベルまで
達したかったので、
月~金曜までの1日6時間の
大学の授業に加えて、
自宅に家庭教師を呼んで
さらに2-3時間勉強していました。

1日8時間ぐらいタイ語漬けの毎日でしたが、
「苦しくても諦めず、目標に向かって
突き進む」ことを学びました。

また、クラスには
様々な国から来ている生徒、
年代が違う生徒が集まっていて
彼らから多くの刺激を受け、
人間としての幅が広がったと思います。
このような異文化交流は日本に居たら
なかなか体験できなかったと思います。

 

【活動2】<タイ時代>

病院通訳の仕事をしました。

タイ語学科を卒業後、
真剣に取り組んだからこそ
無駄にするのではなく、
タイ語を活かして
何かがしたいと思っていました。

そんなときに主人が現地の病院に入院し、
日本人の通訳の方と出会いました。

彼女の生き生きと働いている姿を見て
「私ももっとタイ語を頑張って、
彼女のように人の助けになるようなことが
できたらいいな」と思うようになりました。

主人に内緒で求人を探していたところ
たまたま通訳の求人を見つけ、
応募したら採用が決まりました。

主人に話したところ
最初は驚いていましたが、
私の働く意欲に賛同してくれて、
会社とかけあってくれました。

主人の会社も前例が無かった中で、
扶養の範囲内での就労を許可して下さり、
はれて通訳としての仕事を
スタートさせることができました。

当時は駐在妻が現地で就労する前例は
ありませんでしたが、
最初から無理だと諦めずに
チャレンジすれば道は開ける、
ということを学びました。
諦めてしまったらそこで終わりです。

 

【活動3】<タイ時代>

元々旅行が好きで、
タイに住んだからには
周辺国全てを訪れたいと思っていたので、
主人と東南アジア全ての国を旅行し、
それぞれの国の文化や文化遺産
自然遺産に触れる経験をしました。

ベトナムカンボジアラオスミャンマー、フィリピン、マレーシア、シンガポールインドネシア、インド、スリランカ

 

タイ国内も全土に渡り多くの地を訪れ、
学んだタイ語を活かして現地の方と
コミュニケーションを楽しみました。

 

一括りに東南アジアといっても、
貧富の差や物価の違い、
都市の発展レベルなど様々でした。
また国民性も多種多様であり
興味深かったです。

 

本や映像で学ぶのとは違い、
実際に訪れて自分の目で見て触れて
初めてわかることがたくさんありました。


東南アジア各国共通だったのは、
時間の流れが緩やかで
(日本と比べて)人々が穏やかで優しく、
細かいことなど気にしないという
懐の深さがありました。

 

【活動4】<インド時代>

日常生活において、
市場での買い物やメイド、ドライバー、
修理業者などとのコミュニケーションには
ヒンディー語が欠かせないと感じたので、
マンツーマンレッスンで
ヒンディー語を学びました。
(月~金まで週5日のペースで1年間。)

 

まだ上手に話せない段階でも
とにかく外に出て人と話してみる、
羞恥心は捨てることが大事だと学びました。
そして継続していくことの大切さ、
語学学習は長期間取り組むことで
初めて身につけられるものだと学びました。

 

【活動5】<インド時代>

39歳になり、自然妊娠は難しいと言われて
デリーの超ローカルな病院で不妊治療を
受けました。
(約2年間)

あの時はいい出会いに恵まれ、
周囲の人たちにたくさん
支えてもらいました。

夫婦2人だけでは
到底乗り越えることは出来なかったと
思います。
当時支えてくれたみんなのおかげで
今の自分があります。

この不妊治療を通して
普段から人との「ご縁」を大切に
生きていこうと思うようになりました。

そしてどんなに辛くても
諦めてしまったらそこで終わりだ
ということを学びました。

 

【活動6】<インド時代>

自分が住んでいる大都市だけではなく、
様々なインドを知りたいと思ったので
インド国内を可能な限り旅して回りました。
パキスタンとの国境やインド最南端を訪れ
「インドはでかかった!」
という事実を身をもって知り、
ワクワクしました。

東、西、南、北、中央では
言葉も気候も食べ物も人の印象も全く違い、
インドの奥深さに興味が湧いた。

世界は広く、
自分の知らない世界が
まだまだ存在することを学び、
これからも探求心を忘れず
多くの地を訪れ
自分の経験値をあげていきたい
と思いました。

 

【活動7】<インド時代>

自分は何に興味があって、
どんなことに向いているのかが
知りたかったので、
多岐にわたる習い事に挑戦しました。
(ヨガ、ブリッジ、トールペイントボリウッドダンス、ベリーダンス

 

興味があることには
躊躇せず何でもチャレンジしてみることで、
苦手だと思って敬遠していたことでも、
やってみると意外に楽しく、
長続きしたりすることもありました。

 

自分の限界を自分で勝手に
決めてしまわないことを学びました。

 

【活動8】<アメリカ時代>

これまで自己流で英語に向き合ってきたが、
きちんと学んでみたいと思ったので
英会話のマンツーマン授業を受けました。
(約1年)

 

英語は難しい…(笑)
でも恥ずかしからずにとにかく喋ること!
書くことも学び、
最終的には20ページのエッセイを
書き上げることができました。

 

【活動9】<アメリカ時代> 

住んでいる地域(カリフォルニア州)には
スペイン語を話す人が多く、
彼らとコミュニケーションが
とりたかったので
スペイン語を習いました。
(グループ、マンツーマン約半年間)

 

学んだスペイン語で彼らと話してみたら
とにかく陽気で楽しかったです。
私の中で眠っていた
ラテンの血が騒ぎました♪

 

【活動10】<アメリカ時代>

これまでの滞在国同様
アメリカでも様々な場所を訪れました。

 

アメリカ大陸を西(サンフランシスコ)から
東(ニューヨーク)まで
鉄道横断の旅をしたり、
キャンピングカーに炊飯器を積んで、
ナショナルパークを巡ったりしました。
ヨセミテイエローストーングランドティトン、グランドキャニオン、ロッキーマウンテンなど)

 

仕事を辞めて帯同された方々は特にだと思いますが、帯同してすぐは自分の存在意義を見失ったり、目標を失って何をやればいいのかわからなくなる方が多いと思います。
そんな状態の方々に向けたアドバイスはありますか?


退職して
それまでの自分を「失った」
と考えるのではなく、
新しい自分に出会えるチャンスを「得た」
と考えるといいと思います。

 

過去の自分を振り返らず、
「今」自分が出来ること、
そして「未来」の自分が
どうなっていたいか?に
フォーカス当てたらいいと思います。

 

目標がすぐに定まらなくても
興味の赴くままに
「好き」なことにチャレンジしていれば、
自然と目標が見えてくることもあります。

 

私の主人は転勤族で、
会社の事情で先の予定はいくらでも
変わってしまうので、
長期的な目標は立てられませんが、
常に語学学習などの
短期的な目標を立てながら
私は過ごしていました。

 

そうやって興味が惹かれるものに
全力で取り組んでいたら
自然と次から次へと新しい展開が
広がっていきました。

 

この2年間は、コロナ禍でもあり、
先の見通しが
立てられない状況でもありましたが、
先が見えない不確定さにとらわれて
時間を無駄にするのはもったいないです。

 

今を100%全力で生きる!

 

生活を充実させるためにどんな意識を持ち、どう行動されていましたか?


自分で自分の限界を決めず、
何にでもチャレンジしてみていました。

また、
辛い状況でも笑い飛ばせる
心の余裕を持つようにしていました。

 

帯同期間中のご経験で今に活きていると思うものはありますか?


インドでの生活です。

 

無いものを「無い」と嘆くだけではなく、
無いなら無いなりに
今あるものを活用したり、
何かを代用したりして
工夫して
楽しく生きられるようになりました。

 

帯同を経験して得たものは何ですか?


多様な考え方が出来るようになり、
世界のどこにいても
楽しく前向きに生きていけるだろう
と思えるようになり、
自分という人間の幅が拡がりました。

 

また、どこに住むか?が重要ではなく、
どこにいても自分らしく生きられるか?
が重要なことであると
気づくことができました。

 

帯同を経験して失ったものは何ですか?


失ったものは何一つないと思います。

 

全ての経験に無駄は無く、
これまでの経験全てが
私にとってプラスになっていると思います。

 

帯同前後でどんな価値観の変化がありましたか?


自分の価値観から外れるものは間違い、
と考えるのではなく、
多様性を受け入れ認めることが
大事だと思うようになりました。

 

広い世界で生きている
ちっぽけな自分の価値観に縛られるのは
意味がないのです。

 

人の生き方に正解も間違いもないのだと
気づけたことが大きな変化です。

 

帯同期間前・または現在帯同中の駐妻・駐夫の方にアドバイスをお願いします。


日本ではない異国の土地にきて、
予想できないトラブルが
たくさん起きると思いますし、
うまくいかないことも
多々出てくると思います。

でもそれを
他人のせいにばかりしてしまうのではなく、
自分主体で物事を捉えてみると
いいと思います。

きっかけは
ご主人の駐在が決まったからだった
かもしれませんが、
帯同する選択をしたのは
ご自身だと思います。

その選択を信じて、
主体的に帯同先で活動していくことで
生活が豊かになっていくと思います。

ご主人のせいにしたらキリがない!
決めたのは自分!選んだのも自分!
選んだ道を自信をもって進んでいこう!

それから、私はそれぞれの帯同先で
たくさん旅行をしてきたのですが、
今振り返ると落ち込んでいるときに
よく旅に出ていたなぁと思います。

それは現実逃避のためではなく、
環境を変えて自分と向き合う中で
気持ちをリセットしていたのだと思います。
旅に出ることで
新しい世界を知ることができ、
自分の小ささを知っていたのだと思います。

そうやって
私は旅をすることで
落ち込んでも再び進みだすエネルギーを
得ていたのだと思います。

なので皆さんも
「自分を前に進めてくれるエネルギーの源」
を見つけられたら今の生活を
より一層楽しめるように
きっとなりますよ♪

 

インタビューをした中で
印象的だったのは
ご主人への感謝の気持ちです。

長く海外生活を経験させてくれて、
ご自身に新しい世界を観るきっかけを
作って下さったご主人に
大変感謝をされていました。

そういった感情が生まれるのは
自分の人生をどう生きていくかは自分次第、
自分の人生は自分自身が責任を持つ、
といった自分の人生に対する
信念を持たれているからこそだと
感じました。

きっかけはご主人の駐在だったにせよ、
帯同を選択したのは自分であり、
その選択に自信を持ちながら
どんな困難も楽しむ姿勢があったからこそ
ご主人への感謝の気持ちが
生まれるのだろうな、と私は感じました。

隣で明るく過ごして下さる
Yさんがいらっしゃたことで
ご主人も大変助けられたのでは
ないでしょうか...

お互いを尊敬し合い、助け合いながら
過ごされているご夫婦の様子が
想像されて素敵だな、と思いました。

またどの国においても
現地の言語をとことん勉強され、
(鼻血を出しながら勉強したこともあったのだとか...)
現地の方と対等に触れ合うということを
されていたのが印象的でした。

興味をもったことに対しては
とことん向き合う姿勢が素敵でした。

Yさんは駐在に帯同する前に
13年間会社員を経験をされて、
お仕事に対しては悔いがない状態で
海外に渡航されたそうです。

ですので、海外生活は
第2の人生だと思って
仕事抜きに全力で楽しむつもりで
過ごされていたそうですが、
好きを突き詰めて通訳職に
就いていらっしゃいましたよね。

やはり興味のあるもの、好きなものに
とことん取り組む姿勢は
無駄にはならなくて
突き詰めることで
予期せぬところで仕事に繋がったり
するのだなぁと改めて感じました。

今月のコラムはここまでです!

日本への一時帰国など
お忙しい中、取材に応じて下さった
Yさん、
本当にありがとうございました!