キャリアラボ

キャリアに悩む帯同家族の味方 @indonesia

【11月コラム】~ぽろっとコラム:Aikaさん~

久々の「ぽろっとコラム」シリーズです。

 

 

このシリーズは
駐妻・駐夫の方々に現在や過去の
素直な悩み・苦しみ・思いなどを
共有していただき、

 

同じように悩む読者の皆さまに
共感してもらったり、
前に進む活力を得てもらいたいと思い、
公開し始めたシリーズです。

 

今回は日ごろから色々と
お世話になっているAikaさんに
お話を伺いました。

 

Aikaさん
自動車メーカーで約14年間勤務。事務職として入社し、10年目で社内試験に合格し、総合職に職種変更。育児休暇や時短勤務を経て、帯同のため退職。2018年から2020年まではアメリカに滞在、2022年4月からはインドネシアジャカルタに帯同中。2児のママ。

 

Aikaさんは今でこそ、
ご自分と上手に向き合われていて、
日々充実した生活を送られているように
感じます。

 

また、いつも会ってお話をさせていただくと
私も前向きな気持ちになれるくらい
ポジティブな雰囲気を
持っていらっしゃる方なのですが、
そんなAikaさんにも
悩み、苦しまれていた時期があり、
それを乗り越えられて
今の素敵なAikaさんがあるようです。

 

帯同家族として生活されている皆さまも
Aikaさんが当時悩まれていたことに
同じように今悩んでいるのではと思い、
今回取材を受けていただくことにしました。

 

Aikaさんには悩んでいた当時のことを
振り返っていただき、
悩みやその解決方法について
教えていただきました。

 

当時の様子を教えてください。


長女3歳、次女を妊娠6ヶ月のときに
渡米しました。
渡米後、半年くらいは
向こうでの生活に慣れたり、
出産もあったりでバタバタと
過ごしていたのですが、
産後、数ヶ月経った頃から、
家族へのイライラや
モヤモヤが止まらなくなりました。

 

どんなことに悩まれていたのでしょうか?


仕事をしていた生活から
「駐在員の妻」という立場に
突然変わりました。

自分の稼ぎがなくなり、
主人に稼いでもらったお金で
生活していくことになったので、
夫のサポート・育児・家事...など
家のことは全て自分中心で
やらなければならないと思っていました。

でも、一日中赤ちゃんと一緒の生活で、
思うように進められず
モヤモヤが募る毎日...

私にかまってほしい長女の気持ちにも
応えることができず、
余裕のない自分が情けなくて
苦しかったです。

また、次第に毎日仕事に行く主人のことを
うらやましく思う感情も湧いてきました。

外で自由に働く主人と
やりたくもない家事を強いられている私。

段取り通り仕事が進められる主人と
子どものペースに振り回されっぱなしの私。

困ったら同僚に助けを求められる主人と
全て自分で対処しなければならない私...

主人にも色々苦労があるはずなのに、
当時の私は彼を思いやる余裕が全くなく、
そういった曲がった考え方に
なってしまっていました。

今思うと、
自分の母親や、
周りのお母さんたちと比較して
自分のキャパ・能力以上の高すぎる理想像に
無理に近づこうとしていたんだと思います。

例えば、タブレットを見せることや
甘いお菓子を与えることについても
強い罪悪感を感じていました。

 

その悩みをどうやって解決しましたか?


夫と長女との関係に悩んでいたことを
きっかけに心のしくみ(≒心理学)を
学びました。

それが悩みを解決するのに
大きな役割を果たしたと思います。

心のしくみの学びを通して
自分の過去を振り返り、
自分を苦しめていた価値観や
思考のクセに気が付くことができました。

これは幼い頃の家庭環境が
影響しているのですが、
仕事をしていない分
家事・育児は自分がやって当然、
人に頼るのは本当に困った時だけ、
といった考えを当時は持っていました。

そんな自分の思考を
客観的に知れたことで、
自分の心の状態を客観的に観察して
対処できるようになりました。

また、心のしくみを知ってからは
「頑張らない」ことを
意識するようになりました。

それは心のしくみを学んだ先生が
よくおっしゃっていたことでした。

他人と比べて自分の能力以上のものに
「頑張って」チャレンジすることは
悪いことではありません。
ただ、私の場合は
「今の自分がダメだから頑張る」
という自己否定が根底にあって
それが苦しさにつながっていました。

人はそれぞれ持ち合わせている
キャパシティーや能力が異なります。

隣の人は無理なくできていることでも
自分にとってはキャパ・能力以上で
心身への負担がかかるものだったり
するのです。

そういった意味で
他人と比較して無理に頑張ることは
しなくなりました。

例えば、ご飯を作るのが
おっくうに感じたら
無理せずデリバリーや外食にするなど
しています。

今となっては当たり前に
やっていることですが、
最初は後ろめたさを感じていました。

それほど「多少しんどくても頑張る」こと
が当たり前だったんだと思います。

また、当時住んでいたアメリカの文化に
触れたことも悩みを解決する上で
大きかったと思います。

アメリカでは幼稚園の送り迎えを
父親がするのは当たり前で、
娘の通っていた園でも半分は
父親が送迎していました。

お弁当も市販品を持ってきている子が
普通にいました。

母親が一人で頑張る日本は世界的にみたら
マイノリティなのでは?と感じました。

違う世界の文化や価値観を
肌で感じられたことは、
凝り固まった自分の思考を
ほぐしてくれたと思います。

 

悩みを経て今意識していることはありますか?


常に意識していることは以下の3つです。

・できない自分・ダメな自分もゆるし、
 受け入れること
・常に自分の心と身体の状態を見ること
・嫌いなこと・苦手なことは
 できるだけ手放して、
 好きなこと・楽しいことをやる時間を
 増やすこと

2つ目に関してですが、
身体の状態はまだしも、
「自分の心の状態を丁寧に見てあげる」
という習慣がない人は多いと思います。

例えば、
・玩具を片付けない子どもにイライラする
・ゴルフや接待に行く夫にモヤモヤする
・人のSNSを見て自分と比較してしまう

…のような経験は
誰にでもあるのではないでしょうか?

それを怒りや愚痴で発散するのではなく、
そのイライラやモヤモヤの裏側に
本当はどんな感情を抱えているのかを
丁寧に見ていくイメージです。

 

自分の価値観・思考のクセを確認するにはどんな方法がありますか?


一番よいのは
専門のコーチやカウンセラーの
セッションを受けることだと思います。

私自身も、セッションで
いろんな角度から問いかけをもらい、
自分では気づけなかった心のクセや
蓋をしていた感情に
気づくことができました。

あとは、自分の感情を記録するのも
オススメです。

どんなときにどんな感情になるのかを
記録しておくことで
自分の思考パターンを把握することができ、
自分の取説が出来あがっていきます。

私も心のしくみを学び始めて
4年が経ちますが、
日々、自分と向き合ってきたことで
ようやく自分の感情と
上手く付き合えるように
なってきたところです。

 

 

いかがだったでしょうか?

仕事を辞めて
インドネシアで生活されている方の多くは
家事や育児を一人で
抱え込んでしまっているのでは
ないでしょうか?

私自身も抱え込んでしまいがちです。

そういった行動に対して
自分のどんな価値観や思考のクセが
原因になっているのかを
ゆっくり考えてみると
いいのかもしれませんね。

仕事がなく、
ある程度の自由な時間を確保できるのは
今しかないかもしれません。

一度ゆっくり自分と向き合ってみて
ご自分との上手な付き合い方を
皆さまにも見つけていただき、
もっとインドネシアでの生活を
楽しんでいただければと思います!

Aikaさん貴重な時間と経験を
ご提供いただき
本当にありがとうございました!